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2008年03月20日

悪夢(その3)

ヘッポコSL空想小説第3話です^^;

どうしても、最初から読みたいとおっしゃる方は、下にある悪夢(その1)、悪夢(その2)を先にクリックしてね|゚Д゚)))コソーリ!!!!

悪夢(その1)

悪夢(その2)


2030年3月20日(水曜日) 晴天 気温23℃ 湿度60%

朝7時、まだRLの夢を見ていた俺は、突然の友人の来訪で目を覚ました。

「お久さ~~! やっぱ生きてたんだね^^」
「おお、きょうちゃん。君こそ、もう戻ってこないかと思ってたぞwww」

悪夢(その3)

彼女はIWI(In World Interface)の故障で1か月ほど姿をみせていなかった。

2023年11月、五感対応型のIWIが登場してインワールドは飛躍的な進化を遂げた。IWIの基礎となる五感通信技術は、2000年代から研究開発が活発化した。とりわけ、わが国の各大学研究チームがこの分野を常にリードしてきた。

悪夢(その3)

02年には味覚識別装置、03年には手触りを再現する皮膚感覚ディスプレイ、07年には脳波を読み取ってインワールド内部での行動を再現する装置、などが相次いで開発された。

2012年4月、わが国政府は『五感通信技術発展10か年計画』をスタートさせ、それまで大学レベルで積み上げられてきた技術的成果と人材を結集し、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚のすべてを兼ね備えたIWIの開発を加速化した。

悪夢(その3)

わが国政府は、国際政治や軍事の方面ではまったく適応能力に欠けていたが、わずかな救いは産業政策に関して、時折、優れた先見性を発揮してきたことだ。

いまでは、インワールドで再現できないことはなにもない。むしろ、インワールドはRL以上のことが実現できる世界であり、RLよりも効率的に俺たちの五感を刺激する。

大空を飛ぶ快感やテレポートの瞬間の刺激は強烈だ。何よりも、性的な刺激と興奮は、RLの男性では決して味わうことができない超絶した世界である。

悪夢(その3)

「首都・西京では、原爆で130万人以上がなくなったらしいわ。関崎平野では、火事や放射能汚染が広がっているんだけど、政府も打つ手なしって感じで・・・。」

「私がいる小阪の街にも避難者が溢れかえってる。私も早くSLへ戻りたかったけど、RLの避難者を助けるのに手一杯で。しばらくしたら、またRLへ行くわ。困っているひとを放っておけないもの。」

「そうか。うむ。」

西京周辺の被害は、予想以上に深刻なようだ。西京から西に直線距離で400kmも離れた小阪府にも、難民が押し寄せているというのだ。

悪夢(その3)


(つづく)


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