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ソラマメブログ › SL浪費生活 › 2008年05月31日

  

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2008年05月31日

やがてSL経済の崩壊が始まる?

(最初に書いておきますが、これは決してネガティブ・キャンペーンではありません。ただ、SL経済の先行きが本当に心配なだけなのです。)



今年1月8日の銀行規制の発表、そして4月8日のSIM初期費用値下げと、リンデンラボは3か月ごとに、重要な政策を発表しています。もちろん、銀行規制はSL経済の秩序維持、SIM初期費用の値下げは土地を購入し易くするという大義名分はありますが、これらの政策はSL経済に深刻なデフレをもたらしました。

2つの異なる政策が実施された結果、株価は低迷し、既存の土地(SIM)の価格は暴落しました。サブプライム・ローン問題に苦しむ現在の米国経済やバブル崩壊後の日本経済をみてもわかるとおり、資産価格の下落は企業のバランスシートを急激に悪化させ、個人の消費意欲を減退させることを通じて、景気の悪化をもたらします。

SLはゲームであっても、インワールド経済が存在することは厳然たる事実であり、多くのレジデントがそこにリアルマネーを投入しています。したがって、SL内の土地や株式の大幅な値下がりはそのままリアルマネー・ベースでみた投資資産価値の大幅な減価を意味しています。

含み損を抱えたレジデントは、今後の価格回復を期待して資産を長期保有するか、損失を覚悟して売却するか、の選択を迫れられることになります。少なくとも、これまでのように、ニューマネーを大量投入することは選択肢から除外されるでしょう。

4月下旬にSIMの初期費用が値下げされて以降、土地取引は活発化しているようですが、これは一時的ブームに過ぎず、やがて土地の供給過剰から土地価格の下落に拍車がかかることが容易に想像できます。

<レジデントによる土地販売面積と地価の推移>

(出所)Second Life Economic Statisticsより作成

資産価格がデフレスパイラルに陥れば、当然、消費活動も停滞します。やがて、インワールドのストアー間では売上高を伸ばすための価格競争が激化し、商品やサービスの価格下落が顕著になるでしょう。

投資と商取引における期待収益率の極端な低下が発生した場合、最も懸念されるのはレジデントがSLから大量流出するという問題です。少なくとも、SLを収入源の1つとしてきた優秀なクリエーターは、高い収益性を求めて別の世界へ転出することを余儀なくされる可能性が大きいと思われます。

結果として、SL経済は質と量の両面で大きく後退することになります。今年1月以降、プレミアム・レジデント数が減少傾向にあるのは、終わりの始まりの兆候なのかも知れません。(5月11日付「減少続く日本のSL住民!」)

リンデンラボはSL世界の政府としての役割を担っていますが、経済政策ではまったくの音痴ぶりを発揮しています。これまでの経緯から予想されることは、今後もそれは変わらないだろうということです(新しいCEOであるMark Kingdonさんに期待したいですが)。

3か月後の7月8日には、新規SLユーザーを惹きつけるような重大政策が発表されることを期待したいところですが、恐らく発表されるのは更なるデフレ政策である可能性が濃厚です。

現在、リンデンラボは、SIMの人気度を測る指標として従来のトラフィックとは別の方法を採用しようと考えているそうです。「もし今までのアバターの人数や滞在数に関係のないカウント方式になると、キャンプというものはなくなってしまう」との観測もあり、そうなればフリー・アカウントのレジデントもSLから逃げ出すことになるでしょう。(おカタイのが御好き?5月13日付「キャンプ消滅?」)

しかし、経済が理解できなくても、リンデンラボが唯一できることがあります。それは、原点に戻って、地道にレジデントを増やす努力をし、SL人口の拡大を通じてSL経済の総需要を高めていくことです。


明日は、SL経済の活性化策について考えてみたいと思います。  


Posted by た~さん at 00:05Comments(3)SL経済・金融資本市場