2010年01月22日
09年のSL経済は65%成長!!!
1月19日にリンデンラボが発表した資料によれば、2009年のユーザー間取引高は5億6,700万ドル、前年比64.8%増となった。09年の米国のリアルの小売売上高が前年比6.2%減少(4兆1,393億8,100万ドル)したことを考えれば、極めて好調だったと言える。09年第4四半期の取引高は1 億5,300万ドル、前期比2.0%増、前年同期比53.0%増であった。
ちなみに、同社のコメントでは、「2009 年の世界の実質GDP成長率が(IMFの予測で)1.1%減少すると見込まれる」ことと、SLの取引高の伸びを対比している。
ただ、全産業をカバーする実質ベースの付加価値額(実質GDP)の伸びとSLのユーザー間取引を比較するのはかなり無理があり、ユーザー間取引はむしろ小売売上高に近い概念である。従って、表題の「2009年のSL経済は65%成長」という表現も厳密に言えば妥当ではないが、SLの経済規模を測るモノサシが他にないので、便宜的にそう表現しているだけである。
ユーザー間取引のうち、Xstreet の取引高は09年全体で16.1億L$(6,100万ドル)、前年比74.3%の大幅増を記録した。特に、第4四半期は4.9億L$(2,900万ドル)と、第3四半期の4.2億L$を大きく上回り、過去最高を更新した。第4四半期でみると、Xstreetはインワールド内における取引高の約2割弱を占めている。

ユーザーの状況をみると、09 年の総アクセス時間は4億8,100万時間、前年比21%増加した。
ただ、09年9月以降、リンデンラボがインワールド内の検索アルゴリズムを改善する目的からBOT対策を推進した結果、四半期ごとにみたアクセス時間は09年第2四半期の1億2,600万時間をピークとして低下傾向にあり、第4四半期は1 億1,300万時間にとどまった。
BOTによって底上げされた部分がどの程度あったかは不明だが、その他の指標から判断すれば、アクセス時間の減少は一時的なものとみられる。

例えば、09 年第4四半期のボイスチャットの総利用時間は31.1億分となり、第2四半期の31.4億分から1.0%の減少と、アクセス時間の減少(同10.3%減)に比べて軽微である。また、第3四半期に比べれば僅かながら回復した。欧米人はボイスチャットを普遍的に利用していることを考えると、SLのユニークユーザー数は高原状態を保っていると思われる。
09 年末おける住民所有のリージョン(SIM)は23,965か所、前年末比6%増加した。また、住民の土地所有面積は1,850㎢、同7%の増加となった。リージョン数や土地面積は緩やかな増加傾向を維持しているものの、ユニークユーザー数の大幅な伸びが見込めない状況下、土地取引がかつてのような活況を呈することは難しいであろう。


リンデンラボは、2010年のSL経済は「2009年よりも一段と力強いものになるだろう」と楽観的にみている。リアル経済の回復がSL経済を後押しするだろう、との見方がその背景にあるとみられるが、SL経済の飛躍にはリンデンラボによる一層の政策努力が求められる。
◎“2009 End of Year Second Life Wrap up(including Q4 Economy in Detail)”
【補足説明】
リアル経済では、住宅を自分の手で建設する人はごく少数であり、建設業者に建築を依頼し、その対価として代金を支払う。また、食糧や家電製品、洋服、あるいはサービスなども同様に、一般的には消費者が生産者や中間業者に対してその対価を支払うことで経済が成立している。つまり、そこに貨幣が介在しており、経済規模は貨幣取引の総量によってほぼ把握することができる。
しかし、SLの場合、住宅や様々な構築物、あるいは家具や洋服に至るまで、ユーザー自らが生産者である場合も多い。そうした経済活動は貨幣取引を伴わないため、ユーザーの労働によって創出された付加価値がどの程度の規模であるかを把握するのは非常に困難である。
従って、ユーザー間取引高はSL経済における投資需要や消費需要の一部の動きを反映した数字に過ぎず、その取引規模がイコールSL経済の規模ではない。
これまでのSL経済をみると、土地の拡大に伴って多くの建設需要が発生し、それがSL経済のけん引役を果たしてきた。言い換えれば、SL経済の主役は不動産投資と建設投資であり、それに付随して財やサービスの消費が拡大してきたわけである。
かなり大雑把な推量をすれば、SLの実質GDP成長率は土地面積の伸び率+αに近いと考えられる。09年で言えば、SLの実質GDP成長率は住民の土地所有面積の増加率である7%前後と推察される。
もちろん、それでもリアル経済よりも遥かに好調であったことに変わりはない。
ちなみに、同社のコメントでは、「2009 年の世界の実質GDP成長率が(IMFの予測で)1.1%減少すると見込まれる」ことと、SLの取引高の伸びを対比している。
ただ、全産業をカバーする実質ベースの付加価値額(実質GDP)の伸びとSLのユーザー間取引を比較するのはかなり無理があり、ユーザー間取引はむしろ小売売上高に近い概念である。従って、表題の「2009年のSL経済は65%成長」という表現も厳密に言えば妥当ではないが、SLの経済規模を測るモノサシが他にないので、便宜的にそう表現しているだけである。

ユーザー間取引のうち、Xstreet の取引高は09年全体で16.1億L$(6,100万ドル)、前年比74.3%の大幅増を記録した。特に、第4四半期は4.9億L$(2,900万ドル)と、第3四半期の4.2億L$を大きく上回り、過去最高を更新した。第4四半期でみると、Xstreetはインワールド内における取引高の約2割弱を占めている。


ユーザーの状況をみると、09 年の総アクセス時間は4億8,100万時間、前年比21%増加した。
ただ、09年9月以降、リンデンラボがインワールド内の検索アルゴリズムを改善する目的からBOT対策を推進した結果、四半期ごとにみたアクセス時間は09年第2四半期の1億2,600万時間をピークとして低下傾向にあり、第4四半期は1 億1,300万時間にとどまった。
BOTによって底上げされた部分がどの程度あったかは不明だが、その他の指標から判断すれば、アクセス時間の減少は一時的なものとみられる。


例えば、09 年第4四半期のボイスチャットの総利用時間は31.1億分となり、第2四半期の31.4億分から1.0%の減少と、アクセス時間の減少(同10.3%減)に比べて軽微である。また、第3四半期に比べれば僅かながら回復した。欧米人はボイスチャットを普遍的に利用していることを考えると、SLのユニークユーザー数は高原状態を保っていると思われる。

09 年末おける住民所有のリージョン(SIM)は23,965か所、前年末比6%増加した。また、住民の土地所有面積は1,850㎢、同7%の増加となった。リージョン数や土地面積は緩やかな増加傾向を維持しているものの、ユニークユーザー数の大幅な伸びが見込めない状況下、土地取引がかつてのような活況を呈することは難しいであろう。


リンデンラボは、2010年のSL経済は「2009年よりも一段と力強いものになるだろう」と楽観的にみている。リアル経済の回復がSL経済を後押しするだろう、との見方がその背景にあるとみられるが、SL経済の飛躍にはリンデンラボによる一層の政策努力が求められる。
◎“2009 End of Year Second Life Wrap up(including Q4 Economy in Detail)”
【補足説明】
リアル経済では、住宅を自分の手で建設する人はごく少数であり、建設業者に建築を依頼し、その対価として代金を支払う。また、食糧や家電製品、洋服、あるいはサービスなども同様に、一般的には消費者が生産者や中間業者に対してその対価を支払うことで経済が成立している。つまり、そこに貨幣が介在しており、経済規模は貨幣取引の総量によってほぼ把握することができる。
しかし、SLの場合、住宅や様々な構築物、あるいは家具や洋服に至るまで、ユーザー自らが生産者である場合も多い。そうした経済活動は貨幣取引を伴わないため、ユーザーの労働によって創出された付加価値がどの程度の規模であるかを把握するのは非常に困難である。
従って、ユーザー間取引高はSL経済における投資需要や消費需要の一部の動きを反映した数字に過ぎず、その取引規模がイコールSL経済の規模ではない。
これまでのSL経済をみると、土地の拡大に伴って多くの建設需要が発生し、それがSL経済のけん引役を果たしてきた。言い換えれば、SL経済の主役は不動産投資と建設投資であり、それに付随して財やサービスの消費が拡大してきたわけである。
かなり大雑把な推量をすれば、SLの実質GDP成長率は土地面積の伸び率+αに近いと考えられる。09年で言えば、SLの実質GDP成長率は住民の土地所有面積の増加率である7%前後と推察される。
もちろん、それでもリアル経済よりも遥かに好調であったことに変わりはない。
SLの商業的利用価値は高まるのか?
太陽活動の活発化と海面水温の上昇で景気は回復トレンドへ?
RL経済が動揺するなか、SL経済は堅調に推移
SLの新規登録者数が急増!!!
底這いのSL経済
2010年のSL経済
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Posted by た~さん at 00:05│Comments(0)
│SL経済・金融資本市場