2009年02月18日
なぜSLは「巣ごもり消費」の恩恵を享受できないのか?
米国の金融危機に端を発する世界経済の低迷により、日本経済はまさにジェットコースター並みのペースで落ち込んでいます。内閣府が16日に発表した08年10〜12月の実質GDP成長率は前期比年率12.7%減となりました。これは、第1次石油ショック時の74年以来、35年ぶりの大幅な落込みです。続く09年1〜3月も前期比年率10%以上のマイナスになるとの予想が、エコノミストのコンセンサスになっています。
少し前にも書きましたが、こうした景気低迷時には「巣ごもり消費」が流行るとされています。つまり、消費者は旅行などでの大きな出費を避け、家で楽しめるゲームなどの娯楽やネット消費で慎ましく生活する、というわけです。

SLは「巣ごもり消費」に最適のツールの1つであるわけですが、これまでのところ、その恩恵を享受できていないようです。08年12月以降、リンデンラボはSL統計の発表を止めてしまい、HPからも削除してしまったので感覚的にしかSL経済を語れませんが、少なくとも日本のSLが「巣ごもり消費」で元気を取り戻しているという実感はありません。
実際に日本で「巣ごもり消費」の恩恵を受けているのは、楽天などのネット通販の業者や任天堂などのゲーム機やソフトを販売している企業に限られているようです。08年12月期の楽天の決算は営業利益、経常利益ともに過去最高となり、三木谷社長は「楽天市場は景気が悪い感じがしない」と羨ましい限りのコメントをしています。
日本のSL 参加者は物珍しさで増加した07年夏場をピークに減少に転じ、その後はコアなファンだけが残ってSLを楽しんでいるという状況が続いているので、変わりようがないと言えばそれまでです。もう1つの原因は、おカネを使わない範囲でSLを楽しんでいる人が多いことにあります。特に、日本ではその傾向が強いと思いますが、極端に言えば、いまのSL経済は「消費者不在の市場」なのです。
現実のおカネをSL に投入しているのは、SLで何らかのビジネスを行っている人が中心になっており、そうした人たちが土地や店舗を購入・賃借し、商売に必要なモノを購入することを通じてSL経済が成り立っているのが現状ではないかと推察されます。いまのSL消費市場はB to B市場が主流であり、B to C市場はほとんど機能していないわけです。
では、どのようにSLのコンシュマーを増やしていけばいいのかと問われれば妙案はありません。1つの方策としては、リンデンラボがプレミアム・アカウントを取得することにもっとメリットを持たせ、参加者がおカネを使いたくなる環境を広げることでしょう。
なぜ、プレミアム・アカウントなのかと言えば、それを取得することによって「毎月の管理費なしで 512 平方メートルまでの土地を所有できる」という制度をもっと有効に活用できると思うからです。
SLをやめてしまう理由は、「インワールドで何をしていいのかわからない」というのが圧倒的に多いわけです。洋服をFreebieで集めたり、観光をしたりというのは、初歩の初歩の楽しみ方で、すぐ飽きてしまうのも当然です。さらに一歩踏み込んでSLを楽しむためには、自分の土地を所有して、そこに家を建てたり、そこでモノを作ったりすることを通じて自らのイマジネーションをインワールドに再現する楽しみを見出すことが必要です。
しかし、ほとんどの人は、クリエイティブな経験をすることなしにSLを去ってしまいます。初心者にとってのクリエイティブな経験とは難しいモノ作りに挑戦することではなく、まず自分の土地を所有して、そこに自分なりの箱庭を造ることが出発点になります。

いまの制度では、プレミアム・アカウントを取得すれば、メインランドの土地を購入できるとか、512平方メートルまでなら管理費がいらないといったメリットしかありませんが、仮に512平方メートルの土地が購入費も管理費もなく、もれなくもらえるとしたらどうでしょう。
その場合、リンデンラボはメインランドにプレミアム・アカウント村を作り、機械的に512平方メートルの土地を割り当ててもいいと思います。何もない土地を手にした参加者は、周囲にある他人の土地を見渡して、自分も家を建てたいと思うでしょうし、庭に木を植えたいと思うでしょう。家を自分で作るのもいいでしょうし、Freebieでもらってきたものでもいいのです。肝心なことは、お気に入りの箱庭を造る楽しさをそこで体感することなのです。
その楽しさを実感できれば、早晩、512平方メートルの土地では物足りなくなって、もっと大きな土地で、自分の夢を実現させたいと思うのが人間の心理です。大きな土地を買えば、そこに必要な住宅や家具、あるいは庭に植える木や草花、オブジェクトなどを購入する人が増え、SLの消費市場は黙っていても拡大していきます。
また、そうした人が増えることは、リンデンラボ最大の収益源である土地を購入し、安定収益となる管理費を毎月払ってくれる上質の顧客を増やすことにもつながります。リンデンラボにとっては、プレミアム・アカウントの取得者に対して土地を無料で提供する行為は大きな経費負担になりますが、長い目でみれば必ず収益の大幅な増加につながるばずです。
プレミアム・アカウントを取得させるためには動機づけも必要ですが、その方法はいくらでもあります。例えば、日本人向けのサービスを考えるのであれば、プレミアム・アカウントの保有者には(1)優先的に日本語サポートを提供する、(2)日本語でのスクリプト講習などの機会を提供する、(3)日本語のHPを充実させ、保有者のみが閲覧可能とする、(4)新たな費用なしにソラマメのようなBLOG環境を提供する、などもあるでしょう。
また、どなたかがBLOGで提案されていましたが、(5)通常よりも精細度の高い(見た目がよい)アバターを提供する、とか、(6)通常SIMを保有しなくとも、ホームステッドSIMを購入できる、という差別化も考えられます。
つまり、「俺は一般参加者とはちょっと違うんだよ」という虚栄心を煽ることができればいいのです。そうすれば、 「あの人には負けたくない」と思う人たちがこぞってプレミアム・アカウントを取得する好循環が生まれてくるのではと思います。
最近、リンデンラボの経営陣は「プレミアム・アカウントの減少はリンデンラボの経営にとって何の影響もない」とコメントしていますが、これはただの強がりか、あるいは本当のアホか、どちらかでしょう。SL参加者の創意工夫に期待するだけでは、インワールドも、リンデンラボも先細りになるだけではないでしょうか。

少し前にも書きましたが、こうした景気低迷時には「巣ごもり消費」が流行るとされています。つまり、消費者は旅行などでの大きな出費を避け、家で楽しめるゲームなどの娯楽やネット消費で慎ましく生活する、というわけです。
SLは「巣ごもり消費」に最適のツールの1つであるわけですが、これまでのところ、その恩恵を享受できていないようです。08年12月以降、リンデンラボはSL統計の発表を止めてしまい、HPからも削除してしまったので感覚的にしかSL経済を語れませんが、少なくとも日本のSLが「巣ごもり消費」で元気を取り戻しているという実感はありません。
実際に日本で「巣ごもり消費」の恩恵を受けているのは、楽天などのネット通販の業者や任天堂などのゲーム機やソフトを販売している企業に限られているようです。08年12月期の楽天の決算は営業利益、経常利益ともに過去最高となり、三木谷社長は「楽天市場は景気が悪い感じがしない」と羨ましい限りのコメントをしています。
日本のSL 参加者は物珍しさで増加した07年夏場をピークに減少に転じ、その後はコアなファンだけが残ってSLを楽しんでいるという状況が続いているので、変わりようがないと言えばそれまでです。もう1つの原因は、おカネを使わない範囲でSLを楽しんでいる人が多いことにあります。特に、日本ではその傾向が強いと思いますが、極端に言えば、いまのSL経済は「消費者不在の市場」なのです。
現実のおカネをSL に投入しているのは、SLで何らかのビジネスを行っている人が中心になっており、そうした人たちが土地や店舗を購入・賃借し、商売に必要なモノを購入することを通じてSL経済が成り立っているのが現状ではないかと推察されます。いまのSL消費市場はB to B市場が主流であり、B to C市場はほとんど機能していないわけです。
では、どのようにSLのコンシュマーを増やしていけばいいのかと問われれば妙案はありません。1つの方策としては、リンデンラボがプレミアム・アカウントを取得することにもっとメリットを持たせ、参加者がおカネを使いたくなる環境を広げることでしょう。
なぜ、プレミアム・アカウントなのかと言えば、それを取得することによって「毎月の管理費なしで 512 平方メートルまでの土地を所有できる」という制度をもっと有効に活用できると思うからです。
SLをやめてしまう理由は、「インワールドで何をしていいのかわからない」というのが圧倒的に多いわけです。洋服をFreebieで集めたり、観光をしたりというのは、初歩の初歩の楽しみ方で、すぐ飽きてしまうのも当然です。さらに一歩踏み込んでSLを楽しむためには、自分の土地を所有して、そこに家を建てたり、そこでモノを作ったりすることを通じて自らのイマジネーションをインワールドに再現する楽しみを見出すことが必要です。
しかし、ほとんどの人は、クリエイティブな経験をすることなしにSLを去ってしまいます。初心者にとってのクリエイティブな経験とは難しいモノ作りに挑戦することではなく、まず自分の土地を所有して、そこに自分なりの箱庭を造ることが出発点になります。
いまの制度では、プレミアム・アカウントを取得すれば、メインランドの土地を購入できるとか、512平方メートルまでなら管理費がいらないといったメリットしかありませんが、仮に512平方メートルの土地が購入費も管理費もなく、もれなくもらえるとしたらどうでしょう。
その場合、リンデンラボはメインランドにプレミアム・アカウント村を作り、機械的に512平方メートルの土地を割り当ててもいいと思います。何もない土地を手にした参加者は、周囲にある他人の土地を見渡して、自分も家を建てたいと思うでしょうし、庭に木を植えたいと思うでしょう。家を自分で作るのもいいでしょうし、Freebieでもらってきたものでもいいのです。肝心なことは、お気に入りの箱庭を造る楽しさをそこで体感することなのです。
その楽しさを実感できれば、早晩、512平方メートルの土地では物足りなくなって、もっと大きな土地で、自分の夢を実現させたいと思うのが人間の心理です。大きな土地を買えば、そこに必要な住宅や家具、あるいは庭に植える木や草花、オブジェクトなどを購入する人が増え、SLの消費市場は黙っていても拡大していきます。
また、そうした人が増えることは、リンデンラボ最大の収益源である土地を購入し、安定収益となる管理費を毎月払ってくれる上質の顧客を増やすことにもつながります。リンデンラボにとっては、プレミアム・アカウントの取得者に対して土地を無料で提供する行為は大きな経費負担になりますが、長い目でみれば必ず収益の大幅な増加につながるばずです。
プレミアム・アカウントを取得させるためには動機づけも必要ですが、その方法はいくらでもあります。例えば、日本人向けのサービスを考えるのであれば、プレミアム・アカウントの保有者には(1)優先的に日本語サポートを提供する、(2)日本語でのスクリプト講習などの機会を提供する、(3)日本語のHPを充実させ、保有者のみが閲覧可能とする、(4)新たな費用なしにソラマメのようなBLOG環境を提供する、などもあるでしょう。
また、どなたかがBLOGで提案されていましたが、(5)通常よりも精細度の高い(見た目がよい)アバターを提供する、とか、(6)通常SIMを保有しなくとも、ホームステッドSIMを購入できる、という差別化も考えられます。
つまり、「俺は一般参加者とはちょっと違うんだよ」という虚栄心を煽ることができればいいのです。そうすれば、 「あの人には負けたくない」と思う人たちがこぞってプレミアム・アカウントを取得する好循環が生まれてくるのではと思います。
最近、リンデンラボの経営陣は「プレミアム・アカウントの減少はリンデンラボの経営にとって何の影響もない」とコメントしていますが、これはただの強がりか、あるいは本当のアホか、どちらかでしょう。SL参加者の創意工夫に期待するだけでは、インワールドも、リンデンラボも先細りになるだけではないでしょうか。
SLの商業的利用価値は高まるのか?
太陽活動の活発化と海面水温の上昇で景気は回復トレンドへ?
RL経済が動揺するなか、SL経済は堅調に推移
SLの新規登録者数が急増!!!
底這いのSL経済
2010年のSL経済
太陽活動の活発化と海面水温の上昇で景気は回復トレンドへ?
RL経済が動揺するなか、SL経済は堅調に推移
SLの新規登録者数が急増!!!
底這いのSL経済
2010年のSL経済
Posted by た~さん at 00:05│Comments(4)
│SL経済・金融資本市場
この記事へのコメント
最近SLに夢破れ?!w活動中止したクリエーターです。なぜ夢破れたかと言いますと、やはりSL経済がまるでなくクリエーターとしては何か物足りなく感じたからなのです。フリーが売れるのも大変嬉しいのですが、それが有料品購買に中々繋がらなくクリエーター志向の者としてモチベーションが下がりSL自体楽しく思えなくなったからです。
(商品自体に魅力がないかもwですが)
リンデン側もSLクリエーターだけに任せるだけでなく何か購買意欲を生み出す様な環境を手助けする
機能がいるような気をしますね。たとえばフリーじゃなくて最低1リンデン以上でないと商品は買えないとか、そう言う何かSL経済が回る仕組みが欲しいと思う今日この頃です。SL経済が動く様になれば、またインワールドで活動しようかと今はSLの様子見を見ることにしました。長々とつまらない文章を書き込み申し訳ございません、では失礼致します。
(商品自体に魅力がないかもwですが)
リンデン側もSLクリエーターだけに任せるだけでなく何か購買意欲を生み出す様な環境を手助けする
機能がいるような気をしますね。たとえばフリーじゃなくて最低1リンデン以上でないと商品は買えないとか、そう言う何かSL経済が回る仕組みが欲しいと思う今日この頃です。SL経済が動く様になれば、またインワールドで活動しようかと今はSLの様子見を見ることにしました。長々とつまらない文章を書き込み申し訳ございません、では失礼致します。
Posted by もも at 2009年02月18日 00:52
ももさん、貴重なご意見をありがとうございます。
いまの状態では、ももさんのようなクリエーターさんたちがSLに失望し、SLを去ってしまう流れが止められないだろうと思います。
リンデンラボは、まず既存の住民の利益を尊重すること、そしてSL経済の発展を促す努力をすることです。住民の側に立って物事を考えれば、おカネをかけなくても、やれることは沢山あると思います。
SL経済が死んでしまう前に、そしてSLが消滅してしまう前に、発想の転換をしてほしいものです。
いまの状態では、ももさんのようなクリエーターさんたちがSLに失望し、SLを去ってしまう流れが止められないだろうと思います。
リンデンラボは、まず既存の住民の利益を尊重すること、そしてSL経済の発展を促す努力をすることです。住民の側に立って物事を考えれば、おカネをかけなくても、やれることは沢山あると思います。
SL経済が死んでしまう前に、そしてSLが消滅してしまう前に、発想の転換をしてほしいものです。
Posted by た~さん at 2009年02月18日 01:54
お返事ありがとう^^
お気に入りに入れました^^
そらまめも読み応えのあるブログは皆無なので
たーさんのブログは貴重です。
頑張ってください。
お気に入りに入れました^^
そらまめも読み応えのあるブログは皆無なので
たーさんのブログは貴重です。
頑張ってください。
Posted by もも at 2009年02月18日 11:44
普段は、あんまり読み応えないんですけど、頑張ります^^;
Posted by た~さん at 2009年02月18日 21:16