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2010年06月12日

リンデンの戦略的リストラ

M Lindenからのメッセージが皆さんにも届いていると思いますが、6月9日、リンデンラボは、新たなプラットホームの構築に向けて戦略的リストラクチャリングを実施すると発表しました。

リンデンの戦略的リストラ

今後、リンデンラボはブラウザベースやモバイルアプリケーションによるSLへの接続を実現するために資金と人材を集中して、バーチャルグッズの販売を通じた収益向上を目指す、としています。このため、プロダクト部門とエンジニアリング部門を統合し、ソフトウエア開発チームは北米に集中し、顧客サポートはよりスケーラブルなサービスを提供するように再構成される計画。結果として、約30%の人員が削減される予定です。

リンデンラボのCEO・マーク・キングドンは、2つの長期的な目標を掲げています。第1は、ソフトウエアをダウンロードする必要がないブラウザベースのバーチャルワールドを構築すること。第2は、SLをポピュラーなソーシャルネットワークへと拡張すること。最終的には、SLをより広範囲な人々がアクセスできるものにしたい、と語っています。

今年前半までに、リンデンラボはビューワー2.0のリリース、リンデンホームの導入など、当面の目標をクリアしました。ビューワー2.0に関しては、まだまだ改善の余地が多いものの、新機能の充実という意味ではそれなりの成果があったと言えます。加えて、現在のプラットホーム上では、いま以上の革新的な進歩は難しいところまできた、との判断も働いていると思われます。

リンデンの戦略的リストラ

そこで、マーク・キングドンは従来の懸案であったアクセスの大幅な改善による利用者の拡大を実現し、それによって第2のSLブームを巻き起こす方向へ大きく舵を切ったわけです。

収益構造の観点からみると、従来、リンデンラボの収益の柱は土地の売却収入にあったわけですが、安定成長期に入った現在、土地は供給過剰で値下りを続けており、安定した収益が確保できなくなりました。

その一方で、Xstreetを中心としたバーチャルグッズの売上げは好調を維持しています。これは、他のバーチャルワールドにも共通した傾向です。そこで、リンデンラボとしては、バーチャルグッズの販売から得られる収入を中長期的な収益の柱に育てたい、と考えているわけです。実際、マーク・キングドンはブラウザベースのSLの実現を通じて、バーチャルグッズの販売を強化したいと言っています。

リンデンの戦略的リストラ

そこから浮かび上がる疑問点は、①今後、リンデンラボが自らバーチャルグッズの開発・販売に踏み切る可能性の有無、②その可能性がないとしても、Xstreetだけでなく、将来的にインワールド内のすべての商品販売に対してリンデンラボが手数料を徴収する可能性の有無、③ビューワーベースのSLとブラウザベースのSLは共存するのか、などです。

①に関しては、すでにリンデンホームという実績があり、限定された範囲内で、クリエーターや不動産業者との競合がでてくる可能性はあるだろう、と思います。しかし、リンデンラボが供給する官製のグッズが、多くの優秀なクリエーターが生み出すグッズを淘汰するクオリティーと魅力を持っているとはとても思えません。

リンデンの戦略的リストラ

ただ、②に関しては、その可能性が比較的高いのではないか、と考えています。元来、バーチャルグッズの価格は開発コストと、競合商品との対比で決定されており、継続的な販売管理費や人件費を前提とする必要がありません。また、再生産は単にコピーというかたちで容易になされるので、そこにコストが発生するものでもありません。最初に開発コストさえ回収してしまえば、あとは売れただけ儲かる構造になっています。このため、コスト吸収力はRLよりも格段に高いわけです。競争力の高いクリエーターは5~10%の消費税を製品価格へ転嫁することも可能でしょう。

問題は、リンデンラボがSL参加者に対して、いかに消費税導入を受け入れさせるか、です。これに関しては、ギリシャの財政赤字問題で動揺する欧州同様に、あるいはさらに多くの財政赤字を抱える日本同様に、リンデンラボの存続の危機をことさら強調することによって、乗り越えるのが手っ取り早い方法ではないでしょうか。

最後に、③については、ブラウザベースやモバイルアプリケーションのSLが実現した後も、ビューワーベースのSLが存続する可能性が高いと予想されます。SLがまったく新しいシステムに生まれ変わらない限り、役割分担としては、ブラウザベースやモバイルアプリケーションのSLが主に消費者向け、ビューワーベースのSLが主にクリエーター向け、ということになるのでしょう。

リンデンの戦略的リストラ

素人なりに考えても、ブラウザベースやモバイルアプリケーションはかなり機能を絞り込む必要があるだろうと思います。特に、SNSの付帯機能としてSLを利用するひとたちは、チャットによる交流、商品の購入、イベントへの参加、ができれば十分と考えるかも知れません。最近、日本で流行っているアメーバーピグなどを見れば、シンプルな設計であるほうが多くの参加者を惹き付ける可能性が高いと言えます。

かつて、バーチャルワールドの先駆者であったリンデンラボが、いつのまにか他者の後塵を拝する結果に陥ってしまった、というのは悲しい現実です。SNSとバーチャルワールドのコラボレーションというビジネスモデルはすでに多くの業者が実現しており、リンデンラボがそれを成し遂げた頃には、競合他社はさらに先へ行っているかも知れません。



ブラウザベースやモバイルアプリケーションは必ず実現しなければならない課題ですが、それはあくまでもSLを体験するための入り口に過ぎないという前提を忘れてほしくないと思います。リンデンラボは、あくまでも本格的なバーチャルワールドの創始者として、今後も体感できる3D世界、超現実を味わうことのできる3D世界、無限大の可能性を演出する3D世界として、SLを発展させ続けてほしいと願っています。

◎リンデンラボのプレスリリースはこちら。
http://lindenlab.com/pressroom/releases/06_09_10


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