た~さん
2011年10月18日
00:05
2011年7~9月期は、ギリシャに端を発するユーロ圏のソブリン危機が世界の金融市場を揺るがし、それが世界経済の下押しリスクとして強く意識され、南欧諸国の国債価格の暴落のみならず、世界的な株式相場の下落、原油などコモディティーの反落をもたらしました。
紆余曲折を経て、ユーロ諸国が、銀行の資本増強、欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充を推し進めた結果、現在、市場は落ち着きを取り戻しつつあります。
ただ、ソブリン危機が根本解決したわけではなく、ユーロ圏諸国の財政統合など思い切った施策がなければ、今後も欧州経済の混乱、および世界経済への連鎖的危機の波及は容易に収まらないと予想されます。
世界経済の減速が強く意識される状況は、SL経済にも少なからず影響を与えているものと想像されますが、リンデンラボが発表した7~9月の統計はリアル経済の不調に比べて相対的に良好なものだったと言えます。
1日当たりの新規ユーザー登録数は、春先から上昇し始め、7~9月も高水準で推移しました。特に、8月はこの4年間で最大の伸びを記録しました。リンデンラボは、メッシュの導入やプレミアムアカウントの特典拡充などの効果があった、としています。
7~9月期の月間平均のログインユーザー数は104.6万人となり、4~6月期の104.2万人から僅かながら増加しました。新規ユーザーの獲得がその背景にありました。
一方、ユーザーの総ログイン時間は減少傾向が続いています。新規ユーザーの定着率は依然として低いレベルにある、ということでしょうか。
経済活動は、4~6月に比較して持ち直し、月間平均の経済参加者数は前期比2.6%増加しました。ただ、前年比では2.7%減となり、メッシュ導入の効果は極めて緩やかにとどまっています。メッシュの革新的変化がまだ具現化されていないことや、メッシュビューワーへの移行が必ずしも進展していないことなどが考えられます。
マーケットプレイスの売上げは堅調ですが、さすがに伸びは鈍化しています。今後は、メッシュの普及がどの程度のテンポで進むかがカギになるとみられます。
ワールドサイズ(土地面積)は、徐々に縮小する傾向にあります。リアル経済の先行き不透明感が増すなかで、SIMオーナーがSIMの維持に負担を感じてきていることもあるのでしょう。
◎
The Second Life Economy in Q3 2011